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心理学ワールド 93号 常務理事会から コロナ禍からの学会活動:編集関連業務から 原田 悦子 編集担当常務理事(筑波大学) | 日本心理学会

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Academic year: 2021

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46 コロナ禍からの学会活動:編集関連業務から  日本心理学会での編集関連業務担当となって 2年目,全体像が少しわかりかけてきた2020年 度は「こんなことが本当に起こるのか」と思う ようなことが様々に起きてきた一年でした。  とりわけ COVID–19パンデミックについて は,「世界各地で,同時に同じ問題に直面して いる」ことに気づき,文字通り今まさに「世 界」が変わる現場に立っているとの思いをもっ た頃から,「今,心理学研究者/心理学会は, 何をすべきなのか/何ができるのか」という問 いに向き合うこととなりました。また,その頃 から多くの会員の皆様からも,ご意見やお問合 せをいただくようになりました。 社会へ向けての情報発信  たとえばアメリカ心理学会(APA)では, パンデミック下の生活で「知っておいてほしい 心理学の知見」や心理学としての取り組みを一 般の人向けにわかりやすくまとめた記事を,学 会サイト上に次々と公開していきました。本学 会でも,広報委員会でこうした心理学からの情 報を様々に集めて情報発信をしていただきまし た(https://psych.or.jp/special/covid19/)。 し かし,「さぁ編集関連委員会としては何ができ る?」となると,「日本心理学会として,今す ぐに目に見える何かを実現することは困難」と いう現実の壁にぶつかりました。  そんな中で,まず「心理学ワールド」誌で は,APA のように新たな記事を書くことは人 的・時間的資源の制約から難しい,しかし既 存記事の中から「これは関係があります,お役 に立ちますよ」というものをまとめて,わかり やすい形で見せていく取り組みはできるのでは ないかという意見が出て,心理学ミュージアム の担当委員の皆さまとも協力してワーキンググ ループを構成し,上述の「新型コロナウィルス 感染症(COVID–19)関連ページ」 の中に,「心 理学ワールド & 心理学ミュージアム新型コロ ナウィルス感染症(COVID–19)関連記事お よびコンテンツ」(https://psych.or.jp/special/ covid19/pw_pm_covid19/)を立ち上げていた だきました。「ストレスと心」「オンライン学習・ 研究」「情報の真偽と判断のゆがみ」「偏見と差 別」のテーマごとに関連記事がまとめられ,ま たそのテーマと新型コロナウィルス感染との関 係についても簡明に説明がついている内容は, 社会の様々な方々にご覧いただいています。 パンデミックを「研究」する  パンデミックは数週間のオーダーでは終わら ない,しかも人の生活や文化を持続的に大きく 変えていく事態だとの認識が確固たるものにな る中で,「こうした状況に,研究者として正面 から取り組むこと,それを推進していくことこ そが学会として成すべきことではないか」との 考えから,常務理事会主導での新たな研究助成 の提案・公募と「心理学研究」特集号の論文募 集を並行して始めることとなりました。研究助 成については,短期間の募集であったにも関わ らず,予想をはるかに上回る99件もの応募が寄 せられ,見通しが立てられない学会としての財 政状況の中で,何件までだったらどのくらいの 助成金を出せるか,ギリギリのラインを求めて の議論を経て,15件の採択が決まりました。採 択に至らなかった申請にも興味深い,また今後 のことを考えると大切なテーマを取り上げた研 究提案が多々あり,「それでも選択しなくては いけない」ことは本当に難しく,また残念で, 審査にあたった常務理事全員が複雑な思いを感 じていたことも申し添えさせていただきます。  「心理学研究」刊行以来初の特集号(第92巻 第5号,2021年12月号刊行予定)「新型コロナウ イルス感染症と心理学」は,今まさに続々と論 文が投稿されてきています。こうした「特集号 を組むことによる,心理学からの社会への発 信」も,今後の学会活動の在り方につながる新 たな試みとして考えています。なお,同時期に 当学会英文誌 Japanese Psychological Research でも「健康と文化」という特集号テーマを掲げ て論文募集を始め,こちらにも COVID–19関 連の研究が集まってきています。  これらの研究成果が実際に社会の目に触れる までには,今しばらく時間がかかります。しか し数年後「あの時は大変だったね」と振り返る 頃に,「でも『今この社会の中で生きる』心理 学研究者コミュニティとして,できる限りのこ とをがんばった」と胸を張れるような活動にし ていきたいと考えています。どうかこの後もご 支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。 (編集担当常務理事/筑波大学教授 原田悦子)

常務理事会から

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